交通事故の慰謝料の斟酌事由について
わかりやすく解説します。
交通事故の慰謝料は、被害者の精神的損害を
金銭で補填しようというものですが、
その額は、最終的には
裁判官の裁量によって定められることになります。
ひとつひとつ交通事故の状況や、
被害者、加害者の状況も異なるので、
具体的に金銭でいくらと判断するのは
難しいところではありますが、
過去の裁判例の積み重ねが、参考資料となります。
交通事故の慰謝料の斟酌事由、
すなわち慰謝料の額が増減される要素としては
さまざまなものがあります。
例えば増額の要素となるものとしては、
加害者の故意、重過失、ひき逃げ、
飲酒運転、無免許運転など悪性の強い場合や、
事故後の加害者の態度が劣悪な場合などが考えられます。
また、被害者が一家の家計の柱である場合などは特に、
死亡や、被害者の収入に影響のある障害などは
遺族や家族のフォローを想定した
慰謝料の増額理由となることが考えられます。
このように加害者・被害者、双方の
年齢、性別、職業、学歴、社会的地位、
家族構成などさまざまな事情を踏まえて、
裁判官が裁量で判断することになります。
近年は、事故後における加害者の対応や態度が重視され、
減額事由を明示、強調する例も多くなり、
慰謝料の持つ制裁的機能が重視、強調される
傾向にあると考えられるところもあります。
慰謝料の減額事由となった例
慰謝料の減額事由となった例としては、
平成20年の大阪地裁の判例で、
住宅街の長い下り坂を自転車で下りてきて
交差点を通過した中学生が、
X運転の普通乗用車と衝突し、
12級の障害を後遺した中学生が、
「ことさらに不当に責任を押し付けようとしている」
として、慰謝料の減額事由に該当するとして、
入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、いずれも1割程度減額して
慰謝料が算定されました。
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