(平成23年3月23日最高裁判所)
事件番号 平成22(行ツ)207
衆議院小選挙区選出議員の選挙において、
300議席のうち、まず47都道府県に1議席ずつを
「別枠」として割り当て、
残り253議席を人口に比例して配分する方式
(いわゆる「1人別枠方式」)について、
東京都の複数の選挙区の選挙人らが、
1人別枠方式を含む選挙区割りに関する
公職選挙法等の規定は、憲法に違反し無効であると主張し、
また、これに基づいて施行された各選挙区の選挙も
無効と主張しました。
裁判所は、
本件選挙時に、一人別枠方式の下でされた
各都道府県への定数配分の段階ですでに
各都道府県間の投票価値にほぼ二倍の最大較差が生ずるなど、
一人別枠方式が選挙区間の投票価値の較差を
生じさせる主要な要因となっているとし、
本件選挙時、本件区割基準規定の一人別枠方式に係る部分は、
憲法の投票価値の平等の要求に反するに至っており、
同基準に従って改定された本件区割り規定の定める
本件区割りも、憲法の投票価値の平等の要求に反するに至っている
としました。
しかし、最高裁判所が、投票価値に不平等があるとして
「違憲判決」を出すのは、
憲法14条が要求する投票価値の平等に反する程度に至り、かつ、
合理的期間が経過しても是正されないことが条件となるところ、
平成19年6月13日大法廷判決において、
平成17年の総選挙の時点における1人別枠方式を含む
本件区割基準及び本件選挙区割りについて、
いずれも憲法の投票価値の平等の要求に反するに
至っていない旨の判断が示されていたことなどを考慮し、
本件区割基準規定及び本件区割規定が
いずれも憲法上要求される
合理的期間内における是正がされなかったとはいえず、
憲法14条1項等の憲法の規定に違反するとはいえない
としました。
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