リラックス法学部 民事訴訟法・民事執行法・民事保全法をわかりやすく解説 >仮差押解放金 仮処分解放金についてわかりやすく解説

 

仮差押解放金

仮差押解放金とは、

債務者が金銭を供託することにより

仮差押えの執行の停止又は既にした

仮差押えの執行の取消しを得ることができる仕組みです。

民事保全法の条文を見てみましょう。

 

(仮差押解放金)

第二十二条 仮差押命令においては、仮差押えの執行の停止を得るため、

又は既にした仮差押えの執行の取消しを得るために債務者が

供託すべき金銭の額を定めなければならない

 

このように、債務者がいくら供託すれば

仮差押から解放されるのか、その金銭の額を

裁判所は必ず定めなければいけません。

 

仮差押命令はもともとお金で

解決できる問題の際に発せられるので、

いくらで解決できるかを裁判所が

必ず定めることになります。

(この点お金の問題とは限らない

仮処分解放金とは異なります。)

 

民事保全法22条2項では

どこに供託するのかを定めています。

 

第二十二条

2 前項の金銭の供託は、

仮差押命令を発した裁判所又は保全執行裁判所の所在地を

管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならない。

 

仮処分解放金

続いて、仮処分解放金ですが、

民事保全法の25条を見てみましょう。

 

(仮処分解放金)

第二十五条 裁判所は、保全すべき権利が

金銭の支払を受けることをもって

その行使の目的を達することができるものであるときに限り、

債権者の意見を聴いて、仮処分の執行の停止を得るため、

又は既にした仮処分の執行の取消しを得るために債務者が

供託すべき金銭の額を仮処分命令において定めることができる

 

仮処分の場合は、不動産など他のものには

代えがきかない特定物について争われる場合に

発動されるものですので、

お金を払えば解決するという問題ではない事が多いので、

こちらの場合は、例外的に金銭の支払いで

その目的が達成できる場合に

債権者の意見を聴いて

定めることができる

という規定になっています。

なお、管轄につきましては

 

第二十五条

2 第二十二条第二項の規定は、前項の金銭の供託について準用する。

 

仮差押解放金の規定を準用していますので、

仮処分解放金も仮差押解放金と同様に

お考えください。

 

民事訴訟法・民事執行法・民事保全法をわかりやすく解説


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