法廷の秩序維持のための強制的処分の合憲性
(最高裁昭和33年10月15日)
事件番号 昭和28(秩ち)1
刑事事件の被告人Xは、多衆を頼んで、放歌合唱をし、
裁判長の制止を無視して、裁判長に罵声を浴びせ、
裁判所の職務執行を妨害し、裁判の威信を著しく害したとして、
法秩法3条2項に基づいて、制裁を科されました。
Xは、法秩法は憲法33条に違反するとして、
抗告したところ棄却され、最高裁に特別抗告しました。
最高裁判所の見解
法廷等の秩序維持に関する法律による制裁は、
従来の刑事的行政的処罰のいずれの範疇にも属しないところの、
本法によって設定された特殊の処罰である。
そして本法は、裁判所または裁判官の面前その他
直接に知ることができる場所における言動
つまり現行犯的行為に対し
裁判所または裁判官自体によって適用されるものである。
従ってこの場合は令状の発付、勾留理由の
開示、訴追、弁護人依頼権等刑事裁判に関し
憲法の要求する諸手続の範囲外にあるのみならず、
またつねに証拠調べを要求されることもない。
裁判の威信の回復は迅速になさなければ
十分な実行を挙げられない。
法廷等の秩序維持に関する法律第2条にもとづく
監置決定および同法第3条第2項による行為者の拘束は、
憲法第32条、第33条、第34条ならびに
第37条に違反するものではない。
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