保護者遺棄致死
( 昭和63年1月19日最高裁)
事件番号 昭和59(あ)588
この裁判では、
堕胎により出生させた未熟児を放置した医師に
保護者遺棄致死罪が成立するかについて
裁判所が見解を示しました。
最高裁判所の見解
被告人は、産婦人科医師として、妊婦の依頼を受け、
自ら開業する医院で妊娠第26週に入った胎児の
堕胎を行ったものであるところ、
右堕胎により出生した未熟児(推定体重1,000グラム弱)に
保育器等の未熟児医療設備の整った病院の医療を受けさせれば、
同児が短期間内に死亡することはなく、
むしろ生育する可能性のあることを認識し、かつ、
右の医療を受けさせるための措置をとることが
迅速容易にできたにもかかわらず、
同児を保育器もない自己の医院内に放置したまま、
生存に必要な処置を何らとらなかった結果、
出生の約54時間後に同児を死亡するに至らしめたというのであり、
右の事実関係のもとにおいて、被告人に対し
業務上堕胎罪に併せて保護者遺棄致死罪の成立を認めた
原判断は、正当としてこれを肯認することができる。
・行政書士受験生にオススメのAmazon Kindle Unlimitedで読める本
スポンサードリンク
関連記事