収賄事件の「職務に関し」について

(平成17年3月11日最高裁)

事件番号  平成15(あ)434

 

この裁判では、警視庁調布警察署地域課に勤務する警察官が,

同庁多摩中央警察署刑事課で捜査中の事件に関して,

告発状を提出していた者から,告発状の検討,助言,

捜査情報の提供,捜査関係者への働き掛けなどの

有利かつ便宜な取り計らいを受けたいとの趣旨の下に

供与されるものであることを知りながら,

現金の供与を受けたときに,

同警察官が同事件の捜査に関与していなかった場合でも

刑法197条1項前段の収賄罪が成立するかどうかについて

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

警察法64条等の関係法令によれば,

同庁警察官の犯罪捜査に関する職務権限は,

同庁の管轄区域である東京都の全域に及ぶと解されることなどに照らすと,

被告人が,調布警察署管内の交番に勤務しており,

多摩中央警察署刑事課の担当する上記事件の捜査に関与していなかったとしても,

被告人の上記行為は,その職務に関し

賄賂を収受したものであるというべきである。

 

したがって,被告人につき刑法197条1項前段の

収賄罪の成立を認めた原判断は,正当である。

 

 

全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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