条例による新たな規制をする場合の配慮義務

(平成16年12月24日最高裁)

事件番号  平成12(行ツ)209

 

この裁判では、

条例による新たな規制をする場合の配慮義務について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

本件条例は,水源保護地域内において対象事業を

行おうとする事業者にあらかじめ町長との協議を求めるとともに,

当該協議の申出がされた場合には,町長は,

規制対象事業場と認定する前に審議会の意見を聴くなどして,

慎重に判断することとしているところ,

規制対象事業場認定処分が事業者の権利に対して

重大な制限を課すものであることを考慮すると,

上記協議は,本件条例の中で重要な地位を

占める手続であるということができる。

 

そして,前記事実関係等によれば,本件条例は,

上告人が三重県知事に対してした

産業廃棄物処理施設設置許可の申請に係る

事前協議に被上告人が関係機関として加わったことを契機として,

上告人が町の区域内に本件施設を

設置しようとしていることを知った町が制定したものであり,

被上告人は,上告人が本件条例制定の前に

既に産業廃棄物処理施設設置許可の申請に係る手続を

進めていたことを了知しており,また,

同手続を通じて本件施設の設置の必要性と

水源の保護の必要性とを調和させるために町として

どのような措置を執るべきかを検討する機会を

与えられていたということができる。

 

そうすると,被上告人としては,上告人に対して

本件処分をするに当たっては,

本件条例の定める上記手続において,

上記のような上告人の立場を踏まえて,

上告人と十分な協議を尽くし,上告人に対して

地下水使用量の限定を促すなどして予定取水量を

水源保護の目的にかなう適正なものに改めるよう適切な指導をし,

上告人の地位を不当に害することのないよう

配慮すべき義務があったものというべきであって,

本件処分がそのような義務に違反してされたものである場合には,

本件処分は違法となるといわざるを得ない

 

全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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