瑕疵が治療されたと認められた事例
(昭和36年7月14日最高裁)
事件番号 昭和32(オ)1096
この裁判では、
農地買収計画の異議棄却決定に対する
訴願の提起があるにかかわらず、
その裁決を経ないで爾後の手続を進行させた
瑕疵の治療について裁判所が見解を示しました。
最高裁判所の見解
農地買収計画につき異議・訴願の提起があるにもかかわらず、
これに対する決定・裁決を経ないで
爾後の手続を進行させたという違法は、
買収処分の無効原因となるものではなく、
事後において決定・裁決があったときは、
これにより買収処分の瑕疵は
治癒されるものと解するのを相当とする。
本件についてこれをみるのに、
原審の確定した事実によれば、
兵庫県農地委員会が本件買収計画を承認し、
また兵庫県知事が被上告人に対する買収令書を発行した当時は、
まだ同委員会による本件買収計画についての
訴願裁決がなされていなかったとはいえ、
右承認は訴願棄却の裁決があることを
停止条件としてなされたものであり、
訴願棄却の裁決もその後行われたというのであるから、
訴願棄却の裁決がなされる前に承認
その他の買収手続を進行させたという瑕疵は、
その後訴願棄却の裁決がなされたことによって治癒された、
と解すべきである。
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