認知者の死亡後における認知無効の訴えの許否
(平成元年4月6日最高裁)
事件番号 昭和62(オ)1568
この裁判では、
認知者の死亡後における認知無効の訴えの許否について
裁判所が見解を示しました。
最高裁判所の見解
親子関係は身分関係の基本となる法律関係であり、
認知に係る親子関係が真実に反するときは、
認知によって生じた法律効果について
存在する現在の法律上の紛争の解決のために、
被認知者には、当該親子関係が存在しないことを確定することについて
法律上の利益があるから、認知者が死亡した後であっても、
認知無効の訴えの提起を許容することが相当であり、
この場合において、認知無効の訴えの相手方たる地位は、
婚姻の無効又は取消しにおける相手方の地位と同様に、
一身専属的なものであって承継の対象とならないので、
人事訴訟手続法2条3項の規定を類推適用して、
認知者が死亡した後は検察官をもって
相手方とすべきものと解される。
したがって、認知者が死亡した後においても、
被認知者は検察官を相手方として認知無効の訴えを
提起することができると解するのが相当である。
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