過去の扶養料の求償と民法第878条および第879条
(昭和42年2月17日最高裁)
事件番号 昭和41(オ)783
この裁判では、
過去の扶養料の求償と民法第878条および第879条について
裁判所が見解を示しました。
最高裁判所の見解
民法878条 ・ 879条によれば、
扶養義務者が複数である場合に
各人の扶養義務の分担の割合は、
協議が整わないかぎり、
家庭判所が審判によって定めるべきである。
扶養義務者の一人のみが扶養権利者を扶養してきた場合に、
過去の扶養料を他の扶養義務者に
求償する場合においても同様であって、
各自の分但額は、協議が整わないかぎり、 家庭裁判所が、
各自の資力その他一切の事情を考慮して
審判で決定すべきであって、
通常裁判所が判決手続で判定すべきではないと
解するのが相当である。
本件において通常裁判所である原審が
分担の割合を判定したのは違法であって、
この点に関する論旨は理由があり、
原判決の求償請求を認容した部分は破棄を免れない。
そして、 原審の認定したところによると、
未だ分担についての審判はないというのであるから、
上告人の扶養義務は具体的に確定していないものというべく、
被上告人の求償請求は理由がない。
よって該請求を棄却した一審判決は、
理由は異なるが結論において正当である。
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