見せ金による株式払込の効力
(昭和38年12月6日最高裁)
事件番号 昭和35(オ)1154
この裁判では、
見せ金による株式払込の効力について
裁判所が見解を示しました。
最高裁判所の見解
株式の払込は、株式会社の設立にあたって
その営業活動の基盤たる資本の充実を
計ることを目的とするものであるから、
これにより現実に営業活動の資金が
獲得されなければならないものであって、
このことは、現実の払込確保のため商法が
幾多の規定を設けていることに徴しても
明らかなところである。
従って、当初から真実の株式の払込として
会社資金を確保するの意図なく、
一時的の借入金を以て単に払込の外形を整え、
株式会社成立の手続後直ちに右払込金を払い戻して
これを借入先に返済する場合の如きは、
右会社の営業資金はなんら確保されたことにはならないのであって、
かかる払込は、単に外見上株式払込の形式こそ備えているが、
実質的には到底払込があつたものとは解し得ず、
払込としての効力を有しないものといわなければならない。
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