株式会社の訴訟上の代表者と商法第12条の適用の有無
(昭和43年11月1日最高裁)
事件番号 昭和40(オ)1206
この裁判では、
株式会社の訴訟上の代表者と
商法第12条の適用の有無について
裁判所が見解を示しました。
最高裁判所の見解
Fを上告会社の代表者である清算人に選任した
本件乙総会の決議は、右決議の取消しを求める
被上告人の本訴を認容する判決が確定するまでは
有効に存在するのであり、右決議が有効に存在するかぎり、
Fは、上告会社の清算人の地位、
資格を有するものと解すべきである。
そして、商法430条1項、123条は、
株式会社の清算人の氏名および住所を登記事項とし、
同法12条は、右登記事項は登記の後でなければ
善意の第三者に対抗できない旨規定しているが、
これらは、会社と実体法上の取引関係に立つ第三者を保護するため、
株式会社の清算人が誰であるかについて、
登記をもって対抗要件としているものであり、
それ自体実体法上の取引行為でない民事訴訟において、
誰が当事者である会社を代表する権限を
有する者であるかを定めるに当っては、
右商法12条の適用はないと解するのが相当である。
したがって、Fの清算人の選任登記が経由されていないこと、
他に選任登記を経た清算人が存在することは、
Fを上告会社の清算人であると認めることを
妨げるものではないというべきである。
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