株主代表訴訟の対象となる取締役の責任
(平成21年3月10日最高裁)
事件番号 平成19(受)799
この裁判では、
株主代表訴訟の対象となる取締役の責任について
裁判所が見解を示しました。
最高裁判所の見解
株主代表訴訟は,商法が,株主総会の権限を限定し,
取締役の権限を広範なものとするとともに,
取締役の特定の行為について,取締役に対し,
会社と取締役との間の委任契約に基づく
善管注意義務による責任を超えて厳格化,定型化された
特別の責任を負わせていることを受けて,
その責任の履行を確実なものとし,
株主の地位を保護するために
設けられたものと理解される制度である。
そうすると,株主代表訴訟によって
追及することのできる取締役の責任は,
商法266条1項各号所定の責任など,
商法が取締役の地位に基づいて取締役に負わせている
厳格な責任(以下「取締役の地位に基づく責任」という。)を
指すものと理解すべきであり,取締役が
その地位に基づかないで会社に負っている責任を含まないと
解することが相当である。
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