特定物の売買と所有権移転の時期
(昭和33年6月20日最高裁)
事件番号 昭和31(オ)1084
この裁判では、
特定物の売買と所有権移転の時期について
裁判所が見解を示しました。
最高裁判所の見解
売主の所有に属する特定物を目的とする売買においては、
特にその所有権の移転が将来なされるべき
約旨に出たものでないかぎり、買主に対し
直ちに所有権移転の効力を生ずるものと解するを相当とする。
そして原審は、所論(丙)の建物については、
売主(上告人)の引渡義務と買主(被上告人)の代金支払義務とは
同時履行の関係にある旨を判示しているだけであって、
右建物の所有権自体の移転が、代金の支払または登記と
同時になさるべき約旨であつたような事実を認めていないことは、
原判文上明白である。それ故、原判決には、
所論のような違法はなく、論旨は採用できない。
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