瑕疵担保による損害賠償請求権と消滅時効

(平成13年11月27日最高裁)

事件番号  平成10(オ)773

 

この裁判では、

瑕疵担保による損害賠償請求権と消滅時効について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

買主の売主に対する瑕疵担保による損害賠償請求権は,

売買契約に基づき法律上生ずる金銭支払請求権であって,

これが民法167条1項にいう

「債権」に当たることは明らかである。

 

この損害賠償請求権については,

買主が事実を知った日から

1年という除斥期間の定めがあるが(同法570条,566条3項),

これは法律関係の早期安定のために買主が

権利を行使すべき期間を特に限定したものであるから,

この除斥期間の定めがあることをもって,

瑕疵担保による損害賠償請求権につき

同法167条1項の適用が

排除されると解することはできない

 

さらに,買主が売買の目的物の引渡しを受けた後であれば,

遅くとも通常の消滅時効期間の満了までの間に瑕疵を発見して

損害賠償請求権を行使することを買主に期待しても

不合理でないと解されるのに対し,

瑕疵担保による損害賠償請求権に

消滅時効の規定の適用がないとすると,

買主が瑕疵に気付かない限り,

買主の権利が永久に存続することになるが,

これは売主に過大な負担を課するものであって,

適当といえない。

 

したがって,瑕疵担保による損害賠償請求権には

消滅時効の規定の適用があり,この消滅時効は,

買主が売買の目的物の引渡しを受けた時から

進行すると解するのが相当である。

 

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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