白地手形補充権
(昭和57年3月30日最高裁)
事件番号 昭和54(オ)110
この裁判では、
白地手形による手形金請求を棄却する判決の確定後に
白地部分を補充して手形上の権利の存在を主張することの許否について
裁判所が見解を示しました。
最高裁判所の見解
手形の所持人が、手形要件の一部を欠いたいわゆる白地手形に基づいて
手形金請求の訴え(以下「前訴」という。)を提起したところ、
右手形要件の欠缺を理由として請求棄却の判決を受け、
右判決が確定するに至つたのち、その者が右白地部分を補充した
手形に基づいて再度前訴の被告に対し
手形金請求の訴え(以下「後訴」という。)を提起した場合においては、
前訴と後訴とはその目的である権利または
法律関係の存否を異にするものではないといわなければならない。
そして、手形の所持人において、
前訴の事実審の最終の口頭弁論期日以前既に白地補充権を有しており、
これを行使したうえ手形金の請求をすることができたにもかかわらず
右期日までにこれを行使しなかつた場合には、
右期日ののちに該手形の白地部分を補充し
これに基づき後訴を提起して手形上の権利の存在を主張することは、
特段の事情の存在が認められない限り
前訴判決の既判力によって遮断され、
許されないものと解するのが相当である。
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