刑訴法382条にいう事実誤認の意義、判示方法
(平成24年2月13日最高裁)
事件番号 平成23(あ)757
この裁判では、
刑訴法382条にいう事実誤認の意義、判示方法について
裁判所が見解を示しました。
最高裁判所の見解
刑訴法は控訴審の性格を原則として事後審としており,
控訴審は,第1審と同じ立場で事件そのものを審理するのではなく,
当事者の訴訟活動を基礎として形成された第1審判決を対象とし,
これに事後的な審査を加えるべきものである。
第1審において,直接主義・口頭主義の原則が採られ,
争点に関する証人を直接調べ,その際の証言態度等も踏まえて
供述の信用性が判断され,それらを総合して事実認定が
行われることが予定されていることに鑑みると,
控訴審における事実誤認の審査は,
第1審判決が行った証拠の信用性評価や証拠の総合判断が
論理則,経験則等に照らして不合理といえるかという
観点から行うべきものであって,
刑訴法382条の事実誤認とは,
第1審判決の事実認定が論理則,経験則等に照らして
不合理であることをいうものと解するのが相当である。
したがって,控訴審が第1審判決に事実誤認があるというためには,
第1審判決の事実認定が論理則,経験則等に照らして
不合理であることを具体的に示すことが
必要であるというべきである。
このことは,裁判員制度の導入を契機として,
第1審において直接主義・口頭主義が
徹底された状況においては,より強く妥当する。
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