保護責任者遺棄罪の実行行為の意義
(平成30年3月19日最高裁)
事件番号 平成28(あ)1549
この裁判では、
刑法218条の不保護による
保護責任者遺棄罪の実行行為の意義について
裁判所が見解を示しました。
最高裁判所の見解
刑法218条の不保護による保護責任者遺棄罪の実行行為は,
同条の文言及び趣旨からすると,
「老年者,幼年者,身体障害者又は病者」につき
その生存のために特定の保護行為を必要とする状況(要保護状況)が
存在することを前提として,その者の「生存に必要な保護」行為として
行うことが刑法上期待される特定の行為を
しなかったことを意味すると解すべきであり,
同条が広く保護行為一般(例えば幼年者の親ならば当然に行っているような
監護,育児,介護行為等全般)を行うことを
刑法上の義務として求めているものでないことは明らかである。
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