自動車運転過失致死
(平成28年3月18日最高裁)
事件番号 平成26(あ)1844
この裁判は、
自動車運転過失致死の公訴事実について
防犯カメラの映像と整合しない
走行態様を前提に被告人を有罪とした原判決に,
審理不尽の違法,事実誤認の疑いがあるとされた事例です。
最高裁判所の見解
被告人車が本件交差点手前でA車を追い越したことは
被告人自身も認めているところ,原判決が指摘するとおり,
本件防犯カメラの映像によれば,A車が本件交差点を通過したのは,
本件事故の発生直後であると認められるから,
A車を本件交差点手前で追い越した被告人車が
本件交差点に進入したのは,
本件事故発生とほぼ同時であると推認できる。
したがって,原判決の破棄部分の説示,すなわち,
被告人車は本件事故より前に本件交差点に進入したと認定し,
被告人車が被害者を轢過したことにつき
合理的な疑いがあるとした
第1審判決の事実認定に誤りがあるとした部分は,
論理則,経験則等に照らして不合理な点はなく,
是認することができる。
しかし,原判決の自判部分の説示のうち,
被告人車の走行態様につき,第1車線に車線変更し,
A車を左側から追い越して本件交差点に進入した後,
再び第2車線に戻って被害者を轢過したと認定した部分は,
以下に述べるとおり疑問があり,その認定に基づき
被告人を有罪とした点にも事実誤認の疑いがある。
また,その原因は,本件の争点や証拠関係を踏まえた
十分な審理が尽くされていなかったことに
よるものと判断せざるを得ない。
・行政書士受験生にオススメのAmazon Kindle Unlimitedで読める本
スポンサードリンク
関連記事