東京都庁郵便小包爆発事件
(平成29年12月25日最高裁)
事件番号 平成28(あ)137
この裁判は、
殺人未遂幇助被告事件について,第1審判決が説示する
間接事実の積み重ねによって
殺人未遂幇助の意思を認定できないとして
事実誤認を理由に有罪の第1審判決を破棄し無罪とした
原判決が是認された事例です。
最高裁判所の見解
原判決は,第1審判決の判断構造についての評価が不十分なまま
証拠の信用性等の検討を行っている。
その結果,原判決は,例えば,第1審判決において
幇助行為と評価された被告人の行為のうち,
精神的幇助行為とされるもの(前1審判決に対して
検察官が控訴していないため,爆発物取締罰則違反幇助の訴因が
当事者間において攻防の対象から外された原審の段階では,
必ずしも重要とはいえなくなったと解される証拠関係について,
詳細に判示し,しかも,第1審判決の事実認定の不合理性を
必ずしも具体的に指摘しないまま,証拠の信用性について
第1審判決と異なる判断をしているなど,
控訴審における事実誤認の審査の在り方という観点から見て,
問題がないわけではない。
しかし,原判決は,間接事実からの
推論の過程が説得的でないなどとして,
第1審判決が説示する間接事実の積み重ねによって
殺人未遂幇助の意思を認定することはできないとしたものであり,
前記 のとおり,第1審判決には判決に影響を
及ぼすことが明らかな事実の誤認があり,
控訴審において破棄を免れないものであったことに照らすと,
第1審判決を破棄し,被告人に対し無罪の言渡しをした原判断は,
結論において,これを是認することができる。
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