リラックス法学部 >商法・会社法をわかりやすく解説 >商法・会社法 募集設立について
募集設立
株式会社の設立には
発起設立と募集設立の2つがあります。
発起設立は設立に際して
発行する株式の全部を発起人が引き受けるもので、
募集設立は設立に際して
発行する株式を発起人以外の者も引き受けるものです。
今回は募集設立について説明していきます。
募集設立は発起人が設立時発行株式の一部を引き受け、
残りの株式を引き受けてくれるものを募集する形です。
募集設立の場合も発起人は
最低でも1株以上引き受ける必要があります。
発起人は59条1項に掲げる事項を
引き受けの申し込みをしようとする者に通知し、
引き受けの申し込みをしようとする者は、
59条3項に掲げる事項を記載した書面を
発起人に交付する必要があります。
(設立時募集株式の申込み)
第五十九条 発起人は、第五十七条第一項の募集に応じて
設立時募集株式の引受けの申込みをしようとする者に対し、
次に掲げる事項を通知しなければならない。
一 定款の認証の年月日及びその認証をした公証人の氏名
二 第二十七条各号、第二十八条各号、第三十二条第一項各号及び前条第一項各号に掲げる事項
三 発起人が出資した財産の価額
四 第六十三条第一項の規定による払込みの取扱いの場所
五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項
2 発起人のうち出資の履行をしていないものがある場合には、
発起人は、第三十六条第一項に規定する期日後でなければ、
前項の規定による通知をすることができない。
3 第五十七条第一項の募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをする者は、
次に掲げる事項を記載した書面を発起人に交付しなければならない。
一 申込みをする者の氏名又は名称及び住所
二 引き受けようとする設立時募集株式の数
4 前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、
政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を
電磁的方法により提供することができる。
この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。
5 発起人は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、
その旨及び当該変更があった事項を第三項の申込みをした者
(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。
6 発起人が申込者に対してする通知又は催告は、
第三項第一号の住所(当該申込者が別に通知又は催告を受ける場所又は
連絡先を発起人に通知した場合にあっては、
その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。
7 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が
通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
引き受けの申し込みがあった後、
発起人は株式の割り当てを行います。
申し込み者の中から
誰に何株引き受けてもらうかを決定するということです。
この場合、申し込みをした者の
希望の株式数より少ない数の株式を与えることもできます。
発起人は申し込み者の
希望の数よりも少ない株式であれば、
どの人物の何株引き受けてもらうか
決めることができるわけです。
(設立時募集株式の割当て)
第六十条 発起人は、申込者の中から設立時募集株式の割当てを受ける者を定め、かつ、
その者に割り当てる設立時募集株式の数を定めなければならない。
この場合において、発起人は、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を、
前条第三項第二号の数よりも減少することができる。
2 発起人は、第五十八条第一項第三号の期日
(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の前日までに、
申込者に対し、当該申込者に割り当てる
設立時募集株式の数を通知しなければならない。
発起人が申込者に割り当てを行うと、
これにより申込者は株式引受人となり、
払い込みをする義務を負います。
期日または期間内に払い込みがない場合は、引受人は
設立時募集株式の株主となる権利を失います。
発起人は期日または期間内までに
払い込みがあった人のみを設立時株主として
株式会社を設立することができます。
(設立時募集株式の引受け)
第六十二条 次の各号に掲げる者は、
当該各号に定める設立時募集株式の数について設立時募集株式の引受人となる。
一 申込者 発起人の割り当てた設立時募集株式の数
二 前条の契約により設立時募集株式の総数を引き受けた者
その者が引き受けた設立時募集株式の数
(設立時募集株式の払込金額の払込み)
第六十三条 設立時募集株式の引受人は、
第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間内に、
発起人が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、
それぞれの設立時募集株式の払込金額の全額の払込みを行わなければならない。
2 前項の規定による払込みをすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、
成立後の株式会社に対抗することができない。
3 設立時募集株式の引受人は、第一項の規定による払込みをしないときは、
当該払込みをすることにより設立時募集株式の株主となる権利を失う。
第百二条
2 設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立の時に、
第六十三条第一項の規定による払込みを行った設立時発行株式の株主となる。
設立時募集株式の払込期日または
払込期間が経過したら、発起人は遅滞なく、
創立総会を招集しなければなりません。
(創立総会の招集)
第六十五条 第五十七条第一項の募集をする場合には、発起人は、
第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間の末日のうち
最も遅い日以後、遅滞なく、設立時株主
(第五十条第一項又は第百二条第二項の規定により
株式会社の株主となる者をいう。以下同じ。)の総会
(以下「創立総会」という。)を招集しなければならない。
2 発起人は、前項に規定する場合において、
必要があると認めるときは、いつでも、創立総会を招集することができる。
(創立総会の招集)
第六十五条 第五十七条第一項の募集をする場合には、発起人は、
第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間の末日のうち
最も遅い日以後、遅滞なく、設立時株主
(第五十条第一項又は第百二条第二項の規定により株式会社の株主となる者をいう。以下同じ。)の
総会(以下「創立総会」という。)を招集しなければならない。
2 発起人は、前項に規定する場合において、
必要があると認めるときは、いつでも、創立総会を招集することができる。
第八十七条
発起人は、株式会社の設立に関する事項を創立総会に報告しなければならない。
創立総会を経て、登記をすることにより株式会社が成立します。
(株式会社の成立)
第四十九条 株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。
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