リラックス法学部 憲法判例憲法判例 酒類販売業の免許制の概要と判決の趣旨をわかりやすく解説

 

憲法判例 酒類販売業の免許制

(最判平成4年12月15日)

事件番号  昭和63(行ツ)56

 

酒類販売業を営もうとするXが、

所轄税務署長に対して、

酒類販売業の免許申請をしましたが、

酒税法10条の

「その経営基盤が薄弱であると認められる場合」

に該当するものとして、

この免許処分の拒否処分をしました。

 

これに対してXは、

酒類販売業の免許制を定めた

酒税法9条、10条10号の規定が

憲法22条1項に違反するものとして、

拒否処分の取消しを求めました。

 

第二十二条  何人も、公共の福祉に反しない限り、

居住、移転及び職業選択の自由を有する。

酒税法はこちらをご参照ください

 

 

最高裁判所は、

「租税の適正かつ確実な賦課徴収を図るという、

国の重要な財政収入の確保を目的とした

職業の許可制については、立法府の裁量を逸脱し、

著しく不合理であることが明白でない限り、

憲法22条1項に違反するものではない

として、

今回の件では、

「経営基盤が薄弱であると認められる場合」

という理由での免許の拒否処分ですが、

酒類製造者が酒類販売代金の回収に

困難を来すおそれがある典型的な例を規定したもので、

この基準は酒類の販売免許制度の

立法目的からも合理的なものである」

として、酒税法9条、10条10号の規定の規定が、

立法府の裁量を逸脱し、

著しく不合理であるとはいえず、

これらの規定が

憲法22条1項に違反するものではなく、

経済的自由規制につき合憲と判断され、

ミスターXの請求は認められませんでした。

 

私個人の感想としましては、

酒税法の規定に関して確かに

「著しく不合理」とまでは思いませんが、

「酒類製造者の販売代金の回収」のことまで、

お上が心配してくれるとは、なんというか、

おもしろいなと思います(笑)

 

全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

 

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