リラックス法学部 判例集 >民法 通則(1条・2条) 判例集

 

(基本原則)

第一条 私権は、公共の福祉に適合しなければならない。

2 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。

3 権利の濫用は、これを許さない。

 

1条関連判例

・信義誠実の原則は、権利の行使、

義務の履行だけでなく、

契約の趣旨の解釈にも基準となる。

(最判昭32・7・5)

 

・所有権が侵害されても、

これによる損失が

ほぼ無いといってもいいほどに軽微で、

しかもこれを除去する事が

著しく困難で莫大な費用がかかる場合、

不当な利益を獲得する目的で

その除去を求めるのは

権利の濫用にほかならない。

 (大判昭10・10・5)

(有名な「宇奈月温泉事件」です。)

 

・土地の売買予約の成立後に、

当事者双方が予想せず、

その責めに帰す事ができない事情により

価額が高騰した後に

予約完結権が行使されても、

特段の事情がない限り、

信義則に反しない。

(最判昭56・6・16)

 

私力の行使は原則として

法の禁止するところであるが

法律に定める手続きによったのでは

権利に対する違法な侵害に対抗して、

現状を維持すの事が不可能または

著しく困難と認められる緊急やむをえない

特別の事情が存する場合においてのみ、

その必要の限度を超えない範囲で、

例外的に許される。

(最判昭40・12・7)

 

「現状を維持すの事が不可能」

「著しく困難と認められる」

「緊急やむをえない」 

「特別の事情が存する」

「必要の限度を超えない範囲」

「例外的」に自力救済が認められるという事で、

よほどの場合でないと

自力救済が認められません。

 

(解釈の基準)

第二条 

この法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等を旨として、

解釈しなければならない。

 

2条関連判例

・公共の利益に関わらない者の

プライバシーにわたる事項を表現内容に含む

小説を公表する事により、

公的立場にない人の名誉、

プライバシー、名誉感情が

侵害された場合には、その小説の出版等により

被害者に重大で回復困難な損害を被らせる

おそれがある(最判平18・3・17)

 

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