リラックス法学部 判例集 >民法 物(85条~89条)判例集

 

(定義)

第八十五条 この法律において「物」とは、有体物をいう。

 

 

民法85条関連判例

・公用物でも私人の所有に属する事もある。

その場合、公用物を妨げない範囲で

処分の対象となりうる。

(大判大7・12・19)

 

(不動産及び動産)

第八十六条 土地及びその定着物は、不動産とする。

2 不動産以外の物は、すべて動産とする。

3 無記名債権は、動産とみなす。

 

民法86条関連判例

・一筆の土地を分割して譲渡する事はできる。

(大連判大13・10・7)

 

・一筆の土地の一部でも占有が可能。

時効取得も認められる。

(大連判大13・10・7)

 

・一筆の土地の一部でも、

当事者間で契約当時その範囲が

特定していたのであれば

売買契約の目的とすることができる。

(最判昭40・2・23)

(リラックスヨネヤマコメント…

この場合所有権移転登記をするには

前提として分筆の登記をする必要があります。)

 

・建物として登記をなすには

完成した建物でなくてもよい。

床や天井を備えていなくても

屋根をふき荒壁をつけ

一個のお建造物として

存在するに至れば十分である。

 (大判昭10・10・1)

 

・未分離の果実(みかん)の

売買をする場合において、

土地または草木に定着させてままで

その所有権を買主に

移転する旨の意思表示があれば、

買主はその所有権を取得する。

(大判大5・9・20)

 

(天然果実及び法定果実)

第八十八条 物の用法に従い収取する産出物を天然果実とする。

2 物の使用の対価として受けるべき金銭その他の物を法定果実とする。

 

民法88条関連判例

・建物の賃料は建物の法定果実である。

(大判大14・1・20)

 

・相続開始から遺産分割までの間に

共同相続に係る不動産から生ずる賃料債権は、

各共同相続人がその相続分に応じて

分割単独債権として取得する。

その帰属は、後にされた

遺産分割の影響を受けない。

 (最判平17・9・8)

 

(果実の帰属)

第八十九条 天然果実は、その元物から分離する時に、

これを収取する権利を有する者に帰属する。

2 法定果実は、これを収取する権利の存続期間に応じて、

日割計算によりこれを取得する。

 

 

民法89条関連判例

・土地の産出物である果実は、

その土地から分離する時に

他に収取権者がいるとの立証がないときは、

土地所有者の所有するものと推定する。

 (大判大5・4・19)

 

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