リラックス法学部 >民法初学者の部屋②債権各論・家族法(親族法・相続法) >民法 寄託契約の成立要件、善管注意義務についてわかりやすく解説
寄託契約とは当事者の一方が
相手方のために特定物の保管をすることを約束して、
その物を受け取ることによって成立する契約です。
物の引渡しが契約の効力要件の要物契約です。
物を保管する側を受寄者(じゅきしゃ)、
預ける方を寄託者といいます。
(寄託)
第六百五十七条
寄託は、当事者の一方が相手方のために保管をすることを約して
ある物を受け取ることによって、その効力を生ずる。
受寄者は寄託者の承諾を得なければ、
寄託物を使用したり、
第三者に寄託物を保管させることはできません。
有償で寄託を受けた者は
善管注意義務を負いますが、
無償で寄託を受けた者は自己の財産に対するのと
同一の注意を払うことで足ります。
(寄託物の使用及び第三者による保管)
第六百五十八条
受寄者は、寄託者の承諾を得なければ、寄託物を使用し、
又は第三者にこれを保管させることができない。
2 第百五条及び第百七条第二項の規定は、
受寄者が第三者に寄託物を
保管させることができる場合について準用する。
(無償受寄者の注意義務)
第六百五十九条
無報酬で寄託を受けた者は、
自己の財産に対するのと同一の注意をもって、
寄託物を保管する義務を負う。
寄託物の返還時期
当事者が寄託物の返還時期を定めなかった場合は、
受寄者はいつでも寄託物を返還する事ができます。
返還時期を定めた場合であっても、
寄託者はいつでも返還を請求することができます。
受寄者はやむを得ない事由がなければ、
期限前に返還することはできません。
(寄託者による返還請求)
第六百六十二条
当事者が寄託物の返還の時期を定めたときであっても、
寄託者は、いつでもその返還を請求することができる。
(寄託物の返還の時期)
第六百六十三条
当事者が寄託物の返還の時期を定めなかったときは、
受寄者は、いつでもその返還をすることができる。
2 返還の時期の定めがあるときは、
受寄者は、やむを得ない事由がなければ、
その期限前に返還をすることができない。
寄託物の返還は、
その保管すべき場所で返還しなければなりませんが、
受寄者が正当な事由で保管する場所を変更したときは、
現在の場所で返還することができます。
(寄託物の返還の場所)
第六百六十四条
寄託物の返還は、その保管をすべき場所でしなければならない。
ただし、受寄者が正当な事由によって
その物を保管する場所を変更したときは、
その現在の場所で返還をすることができる。
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