リラックス法学部 >民法初学者の部屋②債権各論・家族法(親族法・相続法) >親権(親権の喪失)とは?わかりやすく解説

 

成年に達しない子を監護、教育し、

その財産を管理するため、

その父母に与えられた身分上および

財産上の権利・義務の総称を親権といいます。

 

成年に達しない子は、父母の親権に服し、

子が養子であるときは、養親の親権に服します。

親権は、父母の婚姻中は、

原則として父母が共同して行いますが、

父母の一方が親権を行うことができないときは、

他の一方が行います。

 

父母が共同して親権を行う場合において、

父母の一方が、共同の名義で、

子に代わって法律行為をし又は子が

これをすることに同意したときは、

その行為は、他の一方の意思に反したときであっても、

その効力は生じます。

ただし、相手方が悪意であったときは、

効力が生じません。

 

親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、

その財産に関する法律行為についてその子を代表します。

 

ただし、その子の行為を目的とする債務を生ずべき場合には、

本人の同意を得なければなりません。

 

親権を行う父又は母とその子との

利益が相反する行為については、

親権を行う者は、その子のために

特別代理人を選任することを

家庭裁判所に請求しなければなりません。

 

親権を行う者が数人の子に対して

親権を行う場合において、

その一人と他の子との利益が相反する行為については、

親権を行う者は、

その一方のために特別代理人を選任することを

家庭裁判所に請求しなければなりません。

 

例えば、父母が自分の借金のために

子供の財産を担保に入れる場合などが

利益相反行為にあたります。

 

相続が発生して子供に自覚がなくても、

未成年の子供名義の不動産がある場合も

実は珍しくはありません。

 

 

例えば父が全財産を子供に相続させる旨の遺言を書いて、

死亡した時、子供が2才であれば

2才の子供名義の不動産や財産があるわけです。

 

母がこの不動産を担保にお金を借りようとする場合、

それが子供を育てていくお金や生活費に使う目的のお金だとしても、

外から見えるのは、

母親が「子供の財産を担保に自分のためにお金を借りる」

という事になります。

 

事情はどうあれ、

行為の外形から利益相反行為となるか否かを判断するというのが、

判例です。

 

親権の喪失

父又は母による虐待又は

悪意の遺棄があるときその他父又は母による親権の行使が

著しく困難又は不適当であることにより

子の利益を著しく害するときは、

家庭裁判所は、

子、その親族、未成年後見人、

未成年後見監督人又は検察官の請求により、

その父又は母について、

親権喪失の審判をすることができます。

 

親権を行う父又は母は、

やむを得ない事由があるときは、

家庭裁判所の許可を得て、

親権又は管理権を辞することができます。

 

その事由が消滅したときは、

父又は母は、家庭裁判所の許可を得て、

親権又は管理権を回復することができます。

 

親権の停止

親権の停止は、あらかじめ期間を定めて、

一時的に親が親権を行使できないよう制限する制度で、

家庭裁判所が親権停止の原因が

消滅するまでに要すると見込まれる期間、

子どもの心身の状態及び生活の状況

その他一切の事情を考慮して、停止期間を定め

停止期間は最長2年間です。

 

親権停止を請求できるのは、

親による親権の行使が困難なとき、

または親権の行使が不適当であることによって、

子どもの利益を害するときで、

申立てができるのは、

子、その親族、検察官、児童相談所長などです。

 

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