リラックス法学部 憲法をわかりやすく解説 >違憲審査権の意味、判例についてわかりやすく解説

 

「違憲審査権」とは、

法律、命令、規則、処分が憲法に適合するかしないかを

決定する権限の事をいいます。

 

憲法86条は、最高裁判所に最終的違憲審査権を付与しています。

(なお、違憲審査権は

最高裁判所の最も重要な役割ですが、

下級裁判所も違憲審査権を有します。)

 

憲法86条

最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は

処分が憲法に適合するかしないかを

決定する権限を有する終審裁判所である。

 

法律、命令、規則、処分といった国家行為が憲法に適合しない、

つまり「違憲」であるという決定がされた場合は、

それらの国家行為は無効となります。

 

憲法98条  

この憲法は、国の最高法規であつて、

その条規に反する法律、命令、

詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、

その効力を有しない。

 

違憲審査権の法的性格については、

付随的審査制説、抽象的審査制説という2つの見解があります。

多数説は先にご紹介する付随的審査制説を支持し、

判例もこちらの立場であると解されています。

 

 

付随的審査制説

付随的審査制説とは、

具体的な事件があって、その紛争解決に必要な限度で

そこに適用される法令等の違憲性を

「付随的」に審査する権限が、

違憲審査権であるとする説です。

 

つまり実際にトラブルが生じてない状態で、

条文を読んで、

「これ憲法に違反してると思うんですけど」

と、裁判所に訴え出て

違憲審査してもらう事はできないという事になります。

 

抽象的審査制説

こちらの説は具体的訴訟事件とは無関係に、

一般的・抽象的に法令の違憲性を審査できるのが、

違憲審査権であるという説です。

 

先に述べましたが、

判例は前者の付随的審査制説の立場です。

つまり、具体的な事件がなければ

違憲かどうかの審査をできないという立場です。

これは多数説もこちらの説となっていますが、

正直、日本中の法律マニアたちが

「これ違憲じゃないですか?」

「これ違憲じゃないですか?」

と、冷やかし半分で裁判所に

押しかける者も相手にしなくてはいけないとなると、

実務が回らなくなりやってられない

という事もあると思います(笑)

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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