リラックス法学部 判例集 > 民法 共有(249~255条)判例集

 

(共有物の使用)

第二百四十九条 各共有者は、共有物の全部について、

その持分に応じた使用をすることができる。

 

民法249条関連判例

・他の共有者との協議に基づかず、自己の持ち分に基いて共有物を

占有している共有者に対して、他の共有者は当然には

共有物の明渡しを請求する事はできない。

 (最判昭和41・5・19)

 

・共有物の所有権確認の訴えを提起するには、

共有者全員ですることを要する。

各共有者は単独でこの訴えを提起する事はできない。

(大判大5・6・13)

 

・土地の各共有者は、

その土地の一部が自己の所有であると主張する第三者に対し、

単独で、その土地が自己の共有持分権に

属する事の確認の訴えを提起する事ができる。

(最判昭和40・5・20)

 

 

・不動産の共有者の一人が、その持ち分に基いて

この不動産の所有者としての登記を有する者に対して

その登記の抹消を求める事は、

妨害排除請求なので保存行為にあたり、

共有者の一人は単独で所有権移転登記の

全部抹消を求める事ができる。

(最判昭和31・5・10)

 

・AとBが共同相続した不動産を

Bが自己所有物としてCに譲渡し、

所有権移転登記をした場合、

Aが請求できるのは、Aの持ち分に限っての更正登記である。

(当該所有権移転登記の抹消登記を請求する事はできない)

(最判昭和38・2・22)

 

・不動産の共有者の一人は、

共有不動産に対する妨害を排除する事ができる。

不実の持分移転登記がされている場合、

その登記によって共有不動産に妨害状態が続いている

という事ができるから、

その不実の登記をしている者に、

単独でその持分移転登記手続きを

請求する事ができる。

(最判平15・7・11)

 

・共有物に対する不法行為に基づく

損害賠償請求権は、各共有者が自己の持分についてのみ

これを行使することができる。

(最判昭和41・3・3)

 

・共有者全員が、共同原告となって

第三者に対して共有権の確認を求める訴訟の形態は、

固有必要的共同訴訟である。

(最判昭和46・10・7)

  

(共有持分の割合の推定)

第二百五十条 各共有者の持分は、相等しいものと推定する。

 

(共有物の変更)

第二百五十一条 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、

共有物に変更を加えることができない。

 

民法251条関連判例

・共有者の一人が他の共有者の同意を得ずに、

共有物に物理的損傷、改変などの変更を

加えている場合、他の共有者は

その行為の禁止を求め、原状に復させる事を

請求する事ができる。

 (最判平10・3・24)

 

(共有物の管理)

第二百五十二条 

共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、

各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。

ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。

 

民法252条関連判例

・共同相続人の一人が相続財産の家屋の使用借主である場合、

他の共同相続人がこの使用貸借を解除する事は管理行為となって、

本条の手続きによる。

(最判昭和29・3・12)

 

・共有に属する土地が地役権の要役地とされた場合、

この要役地のために承役地について

地役権設定登記手続を求める訴えは、

各共同相続人が単独で

共有者全員のための保存行為として

提起する事ができる。

この訴えは固有必要的共同訴訟にあたらない。

(最判平7・7・18)

 

・預金者の共同相続人の一人は

他の共同相続人の同意を得ずに、

被相続人名義の預金口座について

その取引経過の開示を求める事ができる。

(最判平21・1・22)

 

・共有物を目の不法占有に対する妨害排除と

明渡しの請求は各共有者が単独ですることができる。

(大判大10・7.18)

 

 (共有物に関する負担)

第二百五十三条 各共有者は、その持分に応じ、

管理の費用を支払い、その他共有物に関する負担を負う。

2 共有者が一年以内に前項の義務を履行しないときは、

他の共有者は、相当の償金を支払ってその者の持分を取得することができる。

 

(共有物についての債権)

第二百五十四条 共有者の一人が共有物について他の共有者に対して有する債権は、

その特定承継人に対しても行使することができる。

 

(持分の放棄及び共有者の死亡)

第二百五十五条 共有者の一人が、その持分を放棄したとき、

又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。

 

 

民法255条関連判例

・不動産の共有者の一人が持分放棄した場合、

他の共有者は放棄者に対して、持分の移転登記を求めるべきで、

放棄者の持分取得登記の抹消登記を求める事はできない。

(最判昭和44・3・27)

 

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