リラックス法学部 > 判例集 > 抵当権 法定地上権(388条)判例集
(法定地上権)
第三百八十八条
土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、
その土地又は建物につき抵当権が設定され、
その実行により所有者を異にするに至ったときは、
その建物について、地上権が設定されたものとみなす。
この場合において、地代は、当事者の請求により、裁判所が定める。
民法388条関連判例
・土地と建物が同時に抵当権が設定された場合にも本条の適用がある。
(最判昭和37・9・4)
・法定地上権が成立するためには、
抵当権設定当時において、地上に建物が存在する事を要する。
抵当権設定後、土地の上に建物を築造した場合は、
原則として本条の適用はない。
抵当権者があらかじめ建物の築造を承認したとしても
本件土地は更地として評価して
抵当権が設定された事が明らかであるので、
法定地上権は成立しない。
(最判昭和36・2・10)
・建物の共有者の一人が
その建物の敷地たる土地を単独で所有する場合に、
同人がこの土地に抵当権を設定し、
この抵当権の実行により、
第三者がこの土地を買い受けたときは、
本条の趣旨により、法定地上権が成立する。
(最判昭和46・12・21)
・建物抵当権設定当時、
土地建物が同一人の所有に属していて、
土地については所有権移転登記を
経由していなかった場合でも抵当権の実行により建物を
買い受けた者のために法定地上権が成立する。
(最判昭和53・9・29)
・共有地に建物を所有する共有者の
一人が自己の共有持分に抵当権を設定した場合、
他の共有者の同意がない限り、
この建物のために法定地上権は成立しない。
(最判昭和29・12・23)
・土地と建物に共同抵当権が設定された後、
建物が取り壊され、 新しい建物が建築された場合、
この新しい建物の所有者が土地の所有者と同一人であり、かつ、
この建物が建築された時点で、その抵当権権者がこの建物について
土地の抵当権と同順位の共同抵当権の設定を受けた等、
特段の事情がない限り、この建物のために法定地上権は成立しない。
(最判昭和9・2・14)
・行政書士受験生にオススメのAmazon Kindle Unlimitedで読める本
スポンサードリンク
関連記事