リラックス法学部 判例集 > 民法 債権者代位権(423条)判例集

 

(債権者代位権)

第四百二十三条 債権者は、自己の債権を保全するため、

債務者に属する権利を行使することができる。

ただし、債務者の一身に専属する権利は、この限りでない。

2 債権者は、その債権の期限が到来しない間は、

裁判上の代位によらなければ、前項の権利を行使することができない。

ただし、保存行為は、この限りでない。

 

 

民法423条関連判例

・特定物に関する債権を保全するための代位権は、

債務者が無資力でなくても行使する事ができる。

(大判明治43・7・6)

 

・債務者がすでに自ら権利を

行使している場合には、

その行使の方法または

結果の良し悪しににかかわらず、

債権者は債権者代位権を行使することはできない。

 (最判昭和28・12・14)

 

・売主がまだ登記を経ていない不動産

(保存登記をしていない)の買主は、

売主に対する移転登記請求権を保全するため

売主に代位して所有権保存登記手続をなす事ができる。

(大判大5・2・2)

 

・売主の土地所有権移転登記義務を

共同相続した者のうちAが

この義務の履行を拒絶しているため、

買主Bが同時履行の抗弁権により、

代金全額の弁済を拒絶している場合には、

他の相続人は自己の相続した代金債権を保全するため、

Bが無資力でなくても、Bに代位してAに対して

Bへの所有権移転登記手続を請求できる。

 (最判昭和50・3・6)

 

 

・債権者が代位の行使をするためには、

債務者に対しその権利行使を催告して

債務者がこれに応じない事を要しない。

(大判昭和7・7・7)

 

・建物賃借人は、賃貸人に代位して、

建物の不法占拠者に対して、直接自分に建物の明渡しを

する事を請求する事ができる。

(最判昭和29・9・24)

 

・債権者代位権行使の着手があって、

その旨の通知ないし債務者の了知があれば、

債務者は代位の目的の債権を行使できなくなる。

(大判昭和10・3・12)

 

・協議や審判等で財産分与請求権の

具体的内容が形成される前に、分与を受ける事をできる者が

この請求権を保全するために、分与を請求すべき者に

属する権利を代位行使することはできない。

 (最判昭和55・7・11)

 

・債権者が債務者に対する金銭債権に基いて

債務者の第三債務者に対する金銭債権をを代位行使

できるのは、自分の債権額の範囲に限られる。

(最判昭和44・6・24)

 

・代位訴訟の既判力は債務者に及ぶ。

代位による請求訴訟によって代位の目的たる債権の時効は中断される。

(大判昭和15・3・15)

 

 

・遺留分減殺請求権は、

行使上一身専属権を有するから、

遺留分権利者が、これを第三者に譲渡するなど、

権利行使の確定的意思を有する事を

外部に表明したなど特別の事情がある場合を除いて、

債権者代位権の目的とする事はできない。

(最判平成13・11・22)

 

・抵当権者は抵当不動産の所有者に代位して

不法占有建物の妨害排除を求める場合、

所有者のために当該建物を管理する事を目的として、

直接自分に明け渡すように請求する事ができる。

(最判平成11・11・24)

 

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