リラックス法学部 民事訴訟法・民事執行法・民事保全法をわかりやすく解説 >反訴の要件についてわかりやすく解説

 

反訴とは?

反訴とは、訴えられた被告が

原告を訴えることです。

 

例えば、原告が売買代金の請求の訴えを起こしたときに、

被告が売買の目的物の引渡しを求めて訴えるという具合です。

 

反訴は、新たな訴えの提起ですので、

訴訟代理人が「特別の授権」

がなければすることができません。

 

反訴をする要件としては、

本訴の目的である請求または

防御の方法と関連する請求を目的とすること、

口頭弁論の集結に至るまでにすること、

反訴の目的である請求が

他の裁判所の専属管轄に属する場合ではないこと、

反訴の提起により、著しく訴訟手続を遅滞させないこと

となっております。

 

訴えの変更の場合と要件はかなり似ていますが、

訴えの変更の場合、「請求の基礎が同一」

であることが要求されますが、

反訴の場合、「請求または防御方法と関連」すればよいので、

反訴の方がゆるい要件となっています。

 

反訴は地方裁判所以上においては、

書面をもってしなければなりませんが、

簡易裁判所においては口頭ですることができます。

 

本訴請求と反訴請求は、

同一の訴訟手続で審理されますが、

裁判所は口頭弁論の分離や

一部判決をすることができます。

 

反訴は訴えの変更と要件等が似ていますが、

重要な違いが民事訴訟法300条にありますので、

試験対策として、しっかり覚えておきましょう。

 

第三百条 控訴審においては、反訴の提起は、

相手方の同意がある場合に限り、することができる。

2 相手方が異議を述べないで反訴の本案について弁論をしたときは、

反訴の提起に同意したものとみなす。

3 前二項の規定は、選定者に係る請求の追加について準用する。

 

 

 

このように控訴審において、

反訴をするには、相手方の同意が必要です。

訴えの変更の場合、控訴審においても

相手方の同意は不要です。

 

この差異の理由としては、訴えの変更の場合、

請求の基礎が「同一」のため、

被告は十分な防御を行うことができたと考えられますが、

反訴の場合、本訴と「関連性」があるだけなので、

控訴審で反訴を提起すると、

原告の防御の機会(審級の利益)を

奪うことになりかねないので、

原告の同意がいるという規定になっております。

 

なお、訴訟は訴えの取下げがあった部分については、

初めから係属していなかったものとみなされますが、

本訴が取り下げられた場合、

反訴だけが審判の対象となり、

訴訟は続行されます。

 

反訴は訴えの変更の場合と要件等が似ているものの、

違いもありますので、試験対策として訴えの変更と反訴の要件を

比較してしっかり覚えましょう。

 

訴えの変更とは?わかりやすく解説

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 民事訴訟法・民事執行法・民事保全法をわかりやすく解説 


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