【民法】占有訴権(占有保持の訴え、占有保全の訴え、占有回収の訴え)についての
試験対策の要点をまとめました。
行政書士試験レベルを想定していますが、
他試験にも共通する基本で重要なポイントですので、
他試験受験者の方も活用いただけると思います。
占有の訴えと本権の訴えの関係
まず、占有の訴え(占有保持の訴え、占有保全の訴え、占有回収の訴え)と
本権の訴えの関係についてですが、
占有の訴えと本権の訴えは互いに妨げることはありません。
また、占有の訴えは、
本権に関する理由に基づいて裁判をすることができません。
これは、占有の訴えを起こされた側が、
「自分には所有権(本権)がある」というふうに
防御方法として本権を主張することができないということです。
なお、占有の訴えを起こされた側が、
所有権(本権)に基づいて反訴を提起し、
所有権に基づく返還請求をすることはできます。
占有保持の訴えの概要
占有保持の訴えは、
占有者の占有が妨害されているときにできる訴えです。
妨害排除及び損害賠償を請求することができます。
「及び」に注意してください。
例えば、隣りの土地の木が倒れて
占有している土地をふさいでいるような場合に、
木をよせてくれという請求と合わせて、
損害賠償の請求もできるということになります。
占有保持の訴えの行使期間
占有保持の訴えは、
妨害の存する間又はその消滅した後一年以内に
提起することができます。
ただし、工事により占有物に損害を生じた場合において、
その工事に着手した時から一年を経過し、
又はその工事が完成したときは、
これを提起することができません。
占有保全の訴え
占有保持の訴えは、妨害されるおそれがある場合に、
妨害の予防又は損害賠償の担保を請求することができます。
「又は」に注意してください。
また、まだ損害が生じる前の話ですので、
損害賠償の「担保」に注意してください。
例えば、隣りの土地の木が倒れきそうな場合に、
対策をしてくれいう請求か、
損害賠償の担保を請求できるということになります。
占有保全の訴えの行使期間
占有保全の訴えを行使できる期間は、
占有保持の訴えの規定を準用していますので、
占有保持の訴えの行使期間と同様に考えてください。
占有回収の訴え
占有回収の訴えは、占有者の占有を奪われた場合に、
目的物の返還及び損害賠償の請求をすることができます。
「及び」に注意してください。
占有物を奪われた場合に、
返せという請求と損害賠償の請求を合わせてすることができます。
占有回収の訴えの行使期間
占有回収の訴えは、
占有を奪われた時から一年以内に提起することができます。
(今、あなたが見ているこのページはリラックス法学部「試験対策要点まとめコーナー」です。)
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