リラックス法学部 >行政法をわかりやすく解説 > 行政計画・行政立法とは?
行政計画
行政計画は行政作用を行うための計画で、
法律の根拠がある計画と、法律の根拠のない計画があります。
また、拘束力のない計画と、拘束力のある計画があります。
拘束力のある計画の策定には、法律の根拠が必要とされています。
拘束力のある行政計画は取消訴訟の対象になるか?
という点ですが、かつての判例は、
行政計画は行政内部の計画にすぎないので、
行政訴訟における取消しの対象にはならないという
結論を示していました。
しかし、平成20年の土地区画整理事業計画の処分性について、
最高裁判所は従来の判例を変更し、計画の処分性を認め、
取消訴訟が提起できるという結論となりました。
行政計画の内容については、
専門的な技術や即応性、柔軟性が必要ですので、
広く行政の裁量に委ねられることになります。
この裁量は行政裁量のひとつで、
「裁量の逸脱・濫用の判断基準」で判断されます。
行政計画の策定の内容面を
法律で規制するのは限界があるので、
計画策定の手続きに民主的統制をもたらすために、
公聴会、縦覧、意見書の提出、
パブリックインボルブメント(国民参加)の
手続きがとられます。
行政立法
行政立法は法律の委任を受けた場合や、
法律を執行するためにする事ができるとされています。
例えば「政令」「省令」といったものが
行政立法で制定されたものです。
これら国民の権利義務にかかわる行政立法を
「法規命令」といいます。
(国民の権利義務にかかわらないものを
「行政規則」といいます)
法規命令には次の2種類があります。
◯法律の委任を受けて制定するもの
これは委任命令といいます。
法律の委任があれば政令等において
罰則を定める事もできます。
◯法律の執行のために制定するもの
これを執行命令といいます。
これらの法規命令は行政庁の処分ではありませんので、
公定力はありません。
また、法規命令自体が
取消訴訟の対象となることもありません。
しかし、法規としての性質を持ちますので、
その内容は裁判所の適法であるか否かの審査の対象にはなります。
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