偽造運転免許証の携帯運転と偽造公文書行使罪
(昭和44年6月18日最高裁)
事件番号 昭和43(あ)1651
この裁判では、牽連犯を構成する手段となる
犯罪と結果となる犯罪との中間に
別罪の確定裁判が介在する場合においても、
なお刑法54条の適用があるかどうかについて
裁判所が見解を示しました。
(刑法第54条
一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは
結果である行為が他の罪名に触れるときは、
その最も重い刑により処断する。)
最高裁判所の見解
牽連犯を構成する手段となる犯罪と結果となる犯罪とは、
本来数罪として広義の併合罪に包含されるが、科刑上の一罪として
罪数上は本来の一罪と同様に取り扱われ、刑法45条の適用については
数罪ではなく一罪であると解することに文理上支障はない。
そして、牽連犯はその数罪間に罪質上通例その一方が他方の手段または
結果となる関係があり、しかも具体的に犯人がかかる関係において
その数罪を実行した場合に
科刑上とくに一罪として取り扱うこととしたものであるから、
牽連犯を構成する手段となる犯罪と結果となる犯罪との中間に
別罪の確定裁判が介在する場合においても、
なお刑法54条の適用があるものと解するのが相当である。
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