土地賃借権の時効取得と当該不動産の買受人との対抗関係

(平成23年1月21日最高裁)

事件番号  平成21(受)729

 

この裁判では、

土地賃借権の時効取得と

当該不動産の買受人との対抗関係について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

抵当権の目的不動産につき賃借権を有する者は,

当該抵当権の設定登記に先立って対抗要件を具備しなければ,

当該抵当権を消滅させる競売や公売により

目的不動産を買い受けた者に対し,

賃借権を対抗することができないのが原則である。

 

このことは,抵当権の設定登記後にその目的不動産について

賃借権を時効により取得した者があったとしても,

異なるところはないというべきである。

 

したがって,不動産につき賃借権を有する者が

その対抗要件を具備しない間に,当該不動産に抵当権が

設定されてその旨の登記がされた場合,上記の者は,

上記登記後,賃借権の時効取得に必要とされる期間,

当該不動産を継続的に用益したとしても,

競売又は公売により当該不動産を買い受けた者に対し,

賃借権を時効により取得したと主張して,

これを対抗することはできないことは明らかである。

 

これと同旨の原審の判断は,正当として是認することができる。

 

所論引用の上記判例は,不動産の取得の登記をした者と

上記登記後に当該不動産を時効取得に要する期間

占有を継続した者との間における

相容れない権利の得喪にかかわるものであり,

そのような関係にない抵当権者と賃借権者との

間の関係に係る本件とは事案を異にする。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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