質権設定者の質権者に対する目的債権の担保価値を維持すべき義務
(平成18年12月21日最高裁)
事件番号 平成17(受)276
この裁判では、
質権設定者の質権者に対する
目的債権の担保価値を維持すべき義務について
裁判所が見解を示しました。
最高裁判所の見解
債権が質権の目的とされた場合において,質権設定者は,
質権者に対し,当該債権の担保価値を維持すべき義務を負い,
債権の放棄,免除,相殺,更改等当該債権を消滅,
変更させる一切の行為その他当該債権の
担保価値を害するような行為を行うことは,
同義務に違反するものとして許されないと解すべきである。
そして,建物賃貸借における敷金返還請求権は,
賃貸借終了後,建物の明渡しがされた時において,
敷金からそれまでに生じた賃料債権その他賃貸借契約により
賃貸人が賃借人に対して取得する一切の債権を控除し,
なお残額があることを条件として,
その残額につき発生する条件付債権であるが,
このような条件付債権としての
敷金返還請求権が質権の目的とされた場合において,
質権設定者である賃借人が,正当な理由に基づくことなく
賃貸人に対し未払債務を生じさせて
敷金返還請求権の発生を阻害することは,
質権者に対する上記義務に違反するものというべきである。
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