リラックス法学部 > 初学者の部屋 > 第13話 復代理をわかりやすく解説
復代理とは、代理人が
さらに代理人を選任することです。
選任された者を復代理人といいます。
この時、復代理人は
「本人の代理人」であり、
代理人を代理するわけではないことに注意しましょう。
つまり、復代理人の行為の結果は
本人に帰属します。
(「本人」とは代理人を
選任した依頼者のことです。
法定代理の場合は未成年者、成年被後見人)
任意代理(本人が代理人に頼んだ)の場合は、
本人の許諾を得るかやむを得ない事由がなければ、
復代理人を選任することができません。
これは、信頼関係や代理人の手腕を見込んで
本人が代理人に頼んだのに、
代理人に勝手に他の人に「あとやっといて」
と頼まれたら本人は困るからです。
(任意代理人による復代理人の選任)
第百四条 委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、
又はやむを得ない事由があるときでなければ、
復代理人を選任することができない。
本人の許諾を得た場合か、
やむを得ない事由により復代理人を選任した場合は、
代理人はその選任と監督について、
本人に責任を負います。
許諾を得たり、やむを得ない場合だとしても、
ロクでもない人物を復代理人にされたら困るからです。
本人が指名した人物が
復代理人になった場合は、代理人は
選任、監督の責任は負いません。
ただし、不適任又は不誠実であることを知りながら
その旨を本人に通知または
復代理人を解任することを怠ったときは、
責任を負います。
(復代理人を選任した代理人の責任)
第百五条
代理人は、前条の規定により復代理人を選任したときは、
その選任及び監督について、本人に対してその責任を負う。
2 代理人は、本人の指名に従って復代理人を選任したときは、
前項の責任を負わない。
ただし、その代理人が、復代理人が
不適任又は不誠実であることを知りながら、
その旨を本人に通知し又は復代理人を解任することを怠ったときは、
この限りでない。
法定代理人(未成年者の親権者や、成年後見人)は
自由に復代理人を選任することが
できますが、その場合全責任を負います。
やむを得ない事由があるときは、
選任、監督についての責任のみを負います。
法定代理人はそもそも
本人に判断能力が乏しいからついているわけで、
その本人に「復代理人選任してもいい?」
と許諾をもらっても
しょうがないからです。
(法定代理人による復代理人の選任)
第百六条
法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。
この場合において、やむを得ない事由があるときは、
前条第一項の責任のみを負う。
復代理人は代理人と同じ
権利を有し、義務を負います。
(復代理人の権限等)
第百七条 復代理人は、その権限内の行為について、本人を代表する。
2 復代理人は、本人及び第三者に対して、
代理人と同一の権利を有し、義務を負う。
なお、復代理人が選任されても、
代理人の代理権は失われません。
代理人が代理権を失った場合は、
復代理人も代理権を失います。
ということで、今回は復代理について説明してまいりました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
・行政書士受験生にオススメのAmazon Kindle Unlimitedで読める本
スポンサードリンク
関連記事