【民法】質権(動産質・不動産質・権利質)についての

試験対策の要点をまとめました。

行政書士試験レベルを想定していますが、

他試験にも共通する基本で重要なポイントですので、

他試験受験者の方も活用いただけると思います。

 

質権には動産質、不動産質、権利質の

3種類がありますが、

試験対策としては、3種類の質権に共通の

「質権」という物権についての性質と、

3種類のそれぞれの違いについて

おさえておく必要があります。

 

質権の性質

・質権は譲渡することができないものには設定できない

試験で注意が必要なのは、ひっかけの選択肢として

「差押えが禁止されている物に

質権を設定することはできない。」

という形で出題されるかもしれません。

 

差押えが禁止されているものでも、

譲渡することは可能なので、

質権を設定することはできます。

 

・質権の設定は、債権者に

その目的物を引き渡すことによって

その効力を生ずる。

 

引渡しには占有改定は

含まれませんのでご注意ください。

 

 

動産質

第三者への対抗要件は占有の継続

占有を失った場合、質権に基づく

返還請求をすることができますが、

第三者に対しては質権に基づく

返還請求をすることができません。

第三者には占有回収の訴えによってのみ、

返還の請求をすることができます。

 

・目的物を使用・収益するには

債務者の承諾が必要

質権者は目的物を保存に必要な範囲で

使用・収益することができますが、

これを超える使用・収益を

債務者の承諾を得ずにした場合、

質権設定者は質権の消滅請求をすることができます。

 

不動産質

・不動産質も成立要件は引渡しですが、

第三者に対抗するには登記が必要です。

 

不動産に質権を設定する場合も、

目的不動産の引渡しが成立要件ですが、

第三者に対しては質権設定の登記が

対抗要件となります。

 

ひっかけの選択肢として、

「不動産質の成立要件は登記」というような

出題のされ方がされることが

あるかもしれませんのでご注意ください。

 

・質権者は目的物の不動産を使用・収益することができます。

質権者には果実収取権がありますが、

費用は質権者が負担する必要があります。

動産質は債務者の承諾が必要なことと比較しましょう。

 

権利質

・権利質は原則として合意のみで成立するが…

原則として権利質は合意のみで成立しますが、

債権の譲渡に証書の交付を要する場合は、

その証書を交付しなければ、

質権が発生しません。

 

試験対策としては、

「権利質の成立要件は証書の交付」

というような誤りの選択肢で

出てくるかもしれませんのでご注意ください。

 

・第三者への対抗要件は、

債務者への通知・承諾

 

・質権者は質権の目的となっている債権を

直接取り立てることができる

 

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