リラックス法学部 民事訴訟法・民事執行法・民事保全法をわかりやすく解説 >訴訟指揮権・釈明権とは?わかりやすく解説

 

裁判所が訴訟手続を主催する機能を

訴訟指揮権といいます。

 

裁判所、当事者その他が一定の場所で会合し、

訴訟行為をする時間のことを「期日」といいます。

口頭弁論期日、和解期日、弁論準備期日、

判決期日といったものがありますが、

この期日は裁判長が定めます。

 

このような機能が訴訟指揮権というわけですが、

他にも例えば裁判所は、

口頭弁論の制限、分離若しくは併合を命じ、

又はその命令を取り消すことができます。

 

当事者がこれらの申立てをすることはできません。

 

いったん口頭弁論が集結しても、

裁判所は弁論の再開をすることができます。

これも当事者は申立てをすることはできません。

 

 

釈明権

裁判長は、口頭弁論の期日又は期日外において、

訴訟関係を明瞭にするため、

事実上及び法律上の事項に関し、

当事者に対して問いを発し、

又は立証を促すことができます。

これを釈明権といいます。

 

民事訴訟には弁論主義とは建前がありました。

「当事者の主張しない事実を

判決の基礎にしてはならない」

という原則があるわけですが、

裁判長は釈明権を行使して、

当事者の主張などについて、

「これはこういう意味ですか?」(消極的釈明)

という質問ができるのは当然として、

「このような主張はしないのですか?」(積極的釈明)

と、発言を促すことができるかどうかは

弁論主義という建前に反するようにも

思えますが、判例・通説は

このような積極的釈明も

許容する立場をとっています。

 

片方は弁護士、もう片方は

法律の素人の一般人で訴訟を行った際に、

裁判所の適切な釈明がなければ、

公平な紛争の解決ができないという考えから、

適切な釈明権の行使は、

弁論主義を補完するものとして、

積極的釈明も許容するものと考えられています。

 

なお、判例は適切な釈明権の行使は

裁判所の義務でもあるとしています。

 

釈明権は、期日以外の日でも

行使することができます。

裁判官が弁護士に直接電話して

聞くことができるわけです。

 

期日外に釈明をした場合、

相手方はそのことがわかりませんので、

裁判長または陪席裁判官は、その内容を相手方当事者に

通知しなければなりません。

 

釈明権の行使は,裁判所が自発的にする場合のほか、

当事者の求めに応じてなされることもあります。

 

当事者が裁判所に釈明権の行使を求めることができることを

求問権といいます。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

民事訴訟法・民事執行法・民事保全法をわかりやすく解説 


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