リラックス法学部 リラックス解説 > 「直ちに」「すみやかに」「遅滞なく」の違い

 

法律の条文には、「直ちに」「すみやかに」「遅滞なく」

という文言がでてきます。

 

いずれもこの後に「〇〇しなければならない」という

作為義務が続くわけですが、

この3種類には「即時性」の差を表しています。

 

即時性とは、「すぐにやらなければいけない度合い」

なわけですが、

「直ちに」「すみやかに」「遅滞なく」

は、即時性の強い順番にならんでいます。

 

つまり「直ちに」が、

最もすぐにやらなくてはいけなくて、

「遅滞なく」はこの3つの中で、

一番のんびりしているという事です。

 

大阪高等裁判所の昭和37年12月10日の判例で、

「直ちに」「すみやかに」「遅滞なく」

に関するものがあります。

 

【「すみやかに」は、「直ちに」「遅滞なく」

という用語とともに

時間的即時性を表わすものとして用いられる。

これらは区別して用いられており、その即時性は、

最も強いものが「直ちに」であり、ついで「すみやかに」、

さらに「遅滞なく」の順に弱まつており、

「遅滞なく」は正当な又は合理的な理由による遅滞は

許容されるものと解されている。

 

というふうに区別されています。

 

 

まあ、法律を勉強していて条文を読んで、

そこまで神経質にこの違いを意識する必要もないかと

思いますが、この3つには違いがあり、

その即時性の強い順番を知識として

覚えておいて損はないかと思います。

 

ちなみに私の知り合いの弁護士さんは、

「それじゃ、来週の飲み会の会場、

白木屋を遅滞なく予約しておきます。

白木屋の予約が取れなかった場合、

すみやかに違う居酒屋を探し、

場所が決まりましたら、

直ちに皆さんに連絡します」

というふうに、日常生活でも

これらの用語をつかいわけていた気がします。

私の気のせいかもしれませんが…

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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