リラックス法学部 借地借家法をわかりやすく解説>借地借家法 借地契約の更新後の建物の滅失による解約等

 

借地契約の更新後の建物の滅失による解約等

借地借家法では、借地権の存続期間中の

建物の滅失について規定していますが、

最初の契約期間中に滅失した場合と、

契約更新後に滅失した場合を分けて規定しています。

今回は更新後の建物の滅失に関する規定に

ついて説明していきたいと思います。

 

借地権の契約を更新した後、

新たな存続期間中に建物が滅失した場合は、

借地権設定者(地主)の承諾か、

裁判所の許可がなければ、

借地権の残存期間を超えて存続する

建物の再築は認められません。

 

これに借地権設定者の承諾なく再築した場合は、

借地権設定者(地主)は

賃貸借契約の解約の申入れや

地上権の消滅請求をすることができます。

再築しなかった場合は、借地権者から

賃貸借契約の解約の申入れや地上権の放棄が認められます。

 

(借地契約の更新後の建物の滅失による解約等)

第八条  契約の更新の後に建物の滅失が

あった場合においては、借地権者は、

地上権の放棄又は土地の賃貸借の解約の

申入れをすることができる。

 

2  前項に規定する場合において、

借地権者が借地権設定者の承諾を得ないで

残存期間を超えて存続すべき建物を築造したときは、

借地権設定者は、地上権の消滅の請求又は

土地の賃貸借の解約の申入れをすることができる。

 

3  前二項の場合においては、借地権は、

地上権の放棄若しくは消滅の請求又は

土地の賃貸借の解約の申入れがあった日から

三月を経過することによって消滅する。

 

4  第一項に規定する地上権の放棄又は

土地の賃貸借の解約の申入れをする権利は、

第二項に規定する地上権の消滅の請求又は

土地の賃貸借の解約の申入れをする権利を

制限する場合に限り、制限することができる。

 

5  転借地権が設定されている場合においては、

転借地権者がする建物の

築造を借地権者がする建物の築造とみなして、

借地権者と借地権設定者との間について

第二項の規定を適用する。

 

契約更新後、借地権者が残存期間を超えて

存続する建物を再築することについて、

やむを得ない事情があるにも関わらず、

借地権設定者(地主)がこれを承諾しない場合は、

地主の承諾に代わる再築の許可を申し立てることができます。

 

 

(借地契約の更新後の建物の再築の許可)

第十八条  契約の更新の後において、

借地権者が残存期間を超えて

存続すべき建物を新たに築造することにつき

やむを得ない事情があるにもかかわらず、借

地権設定者がその建物の築造を承諾しないときは、

借地権設定者が地上権の消滅の請求又は

土地の賃貸借の解約の申入れをすることが

できない旨を定めた場合を除き、

裁判所は、借地権者の申立てにより、

借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。

この場合において、

当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、

延長すべき借地権の期間として第七条第一項の

規定による期間と異なる期間を定め、

他の借地条件を変更し、財産上の給付を命じ、

その他相当の処分をすることができる。

 

2  裁判所は、前項の裁判をするには、

建物の状況、建物の滅失があった場合には

滅失に至った事情、借地に関する

従前の経過、借地権設定者及び

借地権者(転借地権者を含む。)が

土地の使用を必要とする事情その他

一切の事情を考慮しなければならない。

 

3  前条第五項及び第六項の規定は、

第一項の裁判をする場合に準用する。

 

ということで、

今回は借地借家法 借地契約の更新後の建物の滅失による解約等について

説明してまいりました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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