リラックス法学部 >刑法をわかりやすく解説 >違法性阻却事由とは?わかりやすく解説

 

犯罪は、構成要件に該当し、違法であり、

有責の場合に成立します。

 

「構成要件」とは、刑法が規定されている

「〇〇をした者は」の「〇〇」の部分です。

 

このように、あらかじめ

「このような事をしたら犯罪です」

という犯罪のカタログに載っている行為をした場合、

「構成要件に該当する」ことになります。

 

逆に、どんなに社会的、道徳的に避難されるような事でも

この犯罪のカタログに載っていない事で

あれば罰せられません。

(これを罪刑法定主義といいます)

 

次に、構成要件に該当してもその行為が

「違法」でなければ

犯罪は成立せず、罰せられません。

 

犯罪のカタログに載っているものはすべて

「違法」なものですから、

構成要件に該当した段階で、

「違法は推定」されます。

 

この違法性の推定を覆す例外的事情のことを

「違法性阻却事由」といいます。

 

ですので、犯罪の成立について、

積極的に違法性の有無を判断する必要はなく、

違法性阻却事由の有無を判断すればよいという事になります。

 

 

違法性阻却事由には、

正当行為、正当防衛、緊急避難、自救行為、

被害者の同意といったものがあります。

 

(正当行為)

第三十五条  法令又は正当な業務による行為は、罰しない。

(正当防衛)

第三十六条  急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、

やむを得ずにした行為は、罰しない。

2  防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、

又は免除することができる。

 

(緊急避難)

第三十七条  

自己又は他人の生命、身体、自由又は

財産に対する現在の危難を避けるため、

やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が

避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。

ただし、その程度を超えた行為は、情状により、

その刑を減軽し、又は免除することができる。

2  前項の規定は、業務上特別の義務がある者には、適用しない。

 

「正当行為」とは、具体的には、

お医者さんが患者さんの身体をメスで切ったり、

死刑執行の刑務官が殺意を持って人を殺した場合などです。

 

正当防衛と緊急避難については別の回で解説しますが、

民法上の概念とは異なるので注意しましょう。

 

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