大量の廃棄物を堆積させた不動産侵奪事件
(平成11年12月9日最高裁)
事件番号 平成9(あ)1054
この裁判では、所有者による現実の支配管理が困難になった土地上に
大量の廃棄物を堆積させた行為が不動産侵奪罪となるかについて
裁判所が見解を示しました。
最高裁判所の見解
本件土地の所有者であるAは、
代表者が行方をくらまして
事実上廃業状態となり、本件土地を現実に
支配管理することが困難な状態になったけれども、
本件土地に対する占有を喪失していたとはいえず、また、
被告人らは、本件土地についての一定の利用権を有するとはいえ、
その利用権限を超えて地上に大量の廃棄物を堆積させ、
容易に原状回復をすることができないようにして
本件土地の利用価値を喪失させたというべきである。
そうすると、被告人らは、Aの占有を排除して
自己の支配下に移したものということができるから、
被告人両名につき不動産侵奪罪の成立を認めた
原判決の判断は、相当である。
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