自救行為

(昭和30年11月11日最高裁)

事件番号  昭和28(あ)5224

 

Xは、建物を増築するため、Xの借地内に築造されている

A所有の住家の玄関の軒先を、情の知らない大工に命じて

間口8尺(約240㎝)、奥行き1尺(約30㎝)を切り取られました。

 

この行為について、Xは、建造物損壊罪で起訴されました。

 

裁判所の見解

右玄関は、Aが建築許可を受けないで不法に増築したものであり、

またXの店舗増築は経営の危機を打開するため

遷延を許さない事情にあって、右軒先の切除によりAのこうむる損害に比し

これを放置することによりXの受ける損害は甚大であったとしても、

Xの右建造物損壊行為が自救行為としてその違法性を阻却されるものではない。

 

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