将来の給付の訴えを提起することのできる請求権としての適格

(平成28年12月8日最高裁)

平成27(受)2309

 

この裁判では、

飛行場において離着陸する航空機の発する騒音等により

周辺住民らが精神的又は身体的被害等を被っていることを理由とする

損害賠償請求権のうち事実審の口頭弁論終結の日の翌日以降の分は,

将来の給付の訴えを提起することのできる請求権としての

適格を有するかについて裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

継続的不法行為に基づき将来発生すべき

損害賠償請求権については,

たとえ同一態様の行為が将来も

継続されることが予測される場合であっても,

損害賠償請求権の成否及びその額をあらかじめ

一義的に明確に認定することができず,具体的に

請求権が成立したとされる時点において

初めてこれを認定することができ,

かつ,その場合における権利の成立要件の具備については

債権者においてこれを立証すべきであり,

事情の変動を専ら債務者の立証すべき

新たな権利成立阻却事由の発生として

とらえてその負担を債務者に課するのは

不当であると考えられるようなものは,

将来の給付の訴えを提起することのできる請求権としての

適格を有しないものと解するのが相当である。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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