【民法】占有者が善意・悪意の場合の
果実収取権、必要費、有益費についての
試験対策の要点をまとめました。
行政書士試験レベルを想定していますが、
他試験にも共通する基本で重要なポイントですので、
他試験受験者の方も活用いただけると思います。
「自主占有」と「他主占有」の違いをおさえましょう
「占有」についての試験対策ですが、
まず、占有は
「自主占有」「他主占有」に分類されます。
「自主占有」は、
所有の意思をもってする占有で、
「他主占有」は、それ以外の占有をいいます。
所有の意思の有無は、
外形的、客観的に判断されます。
ですから、賃貸物件に住んでいて、
いくら借家人が自分の所有する不動産だと
思い込んでいたとしても、
借家人は賃貸借契約に基づいてそこに住んでいますので、
客観的には所有の意思のある占有ではないので、
他主占有ということになります。
なお、他人の物を
盗んだ窃盗犯人のする占有は自主占有となります。
「自己占有(直接占有)」と「代理占有(間接占有)」
「自主占有」と「他主占有」と言葉が似ているので、
混同しないように注意していただきたいのですが、
「自己占有(直接占有)」とは本人が直接する占有で、
「代理占有(間接占有)」とは
占有代理人を介してする占有のことをいいます。
果実収取権について
占有者には、果実を収取する権利と、
必要費、有益費を負担した場合に
本権者に対して請求できる権利があります。
善意の占有者と悪意の占有者によって
扱いが多少異なります。
試験ではこの違いが問われることもありますから、
しっかりとおさえておきましょう。
まず、果実収取権についてですが、
善意の占有者は、
果実を取得することができます。
悪意の占有者は、果実を返還し、
かつ、既に消費し、過失によって損傷し、
又は収取を怠った果実の代価を
償還する義務を負います。
費用償還請求権について
必要費
必要費については、
自主占有・他主占有・善意・悪意に
関わりなく共通です。
占有者が占有物を返還する場合には、
その物の保存のために支出した金額
その他の必要費を回復者から
償還させることができます。
ただし、占有者が果実を取得したときは、
通常の必要費は、
占有者が負担することになります。
有益費
占有者が占有物の改良のために
支出した金額その他の有益費については、
その価格の増加が現存する場合に限り、
回復者の選択に従い、
その支出した金額又は増価額を
償還させることができます。
ただし、悪意の占有者に対しては、
裁判所は、回復者の請求により、その償還について
相当の期限を許与することができます。
試験問題では
「価格の増加が現存する場合に限り」
「回復者の選択」
「支出した金額又は増価額」
のあたりを別の言葉に入れ替えて、
誤りの選択肢を作ることも考えられますから、
しっかりと覚えておきましょう。
(今、あなたが見ているこのページはリラックス法学部「試験対策要点まとめコーナー」です。)
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