リラックス法学部 行政法をわかりやすく解説 >国家賠償法、要件、判例についてわかりやすく解説

 

国家賠償法は「公法上の不法行為」に関する規定です。

公務員が不法行為を行った場合に、

国家賠償法に規定がある場合であれば

国または地方公共団体はこれに従って責任を負います。

 

国家賠償法に規定がない場合は

民法等の規定が適用されます。

 

民法の使用者責任の規定では、

使用者が被用者の選任及びその事業の監督について

相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても

損害が生ずべきであったときは、

責任を負わなくてもよいという免責規定がありましたが、

公務員が職務を行うについて不法行為が成立すれば、

「国又は地方公共団体」は当然に責任を負います。

 

免責規定はありません。

 

国家賠償は「代位責任」となっています。

 

 

公務員が職務を行うについての不法行為を、

国や地方公共団体が代わりに

賠償責任を負うという事です。

 

被害者は公務員個人に

賠償責任を追及することはできません。

 

公務員に故意または重過失があった場合は、

国または地方公共団体は、

その公務員に求償することができます。

 

 ちなみに、国や地方公共団体が賠償責任を負うのは、

公務員が「職務を行うについて」

の不法行為の場合です。

 

公務員のプライベートの

尻拭いまでするわけではありません。

 

第一条  国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、

その職務を行うについて、

故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、

国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。

2  前項の場合において、

公務員に故意又は重大な過失があつたときは、

国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。

 

国家賠償法には公務員の不法行為と、

公の営造物に関する規定もあります。

 

そちらについてはまた別の回に説明いたします。

ちなみに国家賠償法は全部で6条しかないので、

条文をしっかり確認しておきましょう。

 

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