リラックス法学部 >憲法をわかりやすく解説 >基本的人権と公共の福祉についてわかりやすく解説
日本国憲法は基本的人権について
次のように規定しています。
第十一条
国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。
この憲法が国民に保障する基本的人権は、
侵すことのできない永久の権利として、
現在及び将来の国民に与へられる。
第九十七条
この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、
人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、
これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、
現在及び将来の国民に対し、
侵すことのできない永久の権利として
信託されたものである。
と、このように、基本的人権は
「侵すことのできない永久の権利」として、
非常に大切な権利として、定められています。
しかし、基本的人権は無制約に
認められるわけではありません。
個人は社会の中で生きて行き、
他人の人権と衝突することもあります。
個人が基本的人権を主張して
やりたい放題になりますと、
その行為が他人の基本的人権を
侵害してしまうことになります。
そこで、大切な基本的人権という
侵してはいけない権利ではありますが、
ある程度の範囲で人権に対して
制約が必要となってきます。
では、大切な基本的人権という権利を
どういった形で制約するべきでしょうか?
憲法には人権に制約を加える根拠として
「公共の福祉」という概念があります。
憲法で「公共の福祉」という言葉が
次の4カ条で登場します。
第十二条
この憲法が国民に保障する自由及び権利は、
国民の不断の努力によつて、
これを保持しなければならない。
又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、
常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
第十三条
すべて国民は、個人として尊重される。
生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、
公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、
最大の尊重を必要とする。
第二十二条
何人も、公共の福祉に反しない限り、
居住、移転及び職業選択の自由を有する。
第二十九条
財産権は、これを侵してはならない。
2 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、
法律でこれを定める。
このように、日本国憲法では、
基本的人権を尊重するよう努めつつ、
「公共の福祉」という言葉で、これに歯止めをかけています。
では、公共の福祉とは
どのようにとらえればよいのでしょうか?
公共の福祉をどのようにとらえるかは、
学説上も色々な主張があり、
それぞれにメリット、デメリットがあります。
主な学説に
一元的外在制約説、
内在・外在二元的制約説、
一元的内在制約説
といったものがあります。
詳しい内容はこちらで解説させていただきます。
それでは今回は基本的人権と公共の福祉について
説明してまいりました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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