即位儀式への公務参加、公費支出(政教分離)
平成14年7月11日最高裁
鹿児島県知事は、皇居で行われる
天皇の即位の礼に伴う大嘗祭(だいじょうさい)へ
参加する旅費として県から7万5,660円の支給を受け、
県の住民のXらが、知事の本件出席が
憲法20条3項等に違反するとして、住民訴訟を提起しました。
最高裁判所の見解
県知事の大嘗祭への参列の目的は、天皇の即位に伴う皇室の伝統儀式に際し、
日本国及び日本国民統合の象徴である天皇に対する
社会的儀礼を尽くすものであり、その効果も、
特定の宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、
干渉等になるようなものではないと認められる。
したがって、県知事の大嘗祭への参列は、
宗教とのかかわり合いの程度が
我が国の社会的、文化的諸条件に照らし、
信教の自由の保障の確保という制度の根本目的との関係で
相当とされる限度を超えるものとは認められず、
憲法上の政教分離原則及びそれに基づく
政教分離規定に違反するものではないと解するのが相当。
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