未成年者を利用した窃盗(間接正犯)
(昭和58年9月21日最高裁)
事件番号 昭和58(あ)537
Xは、12歳の養女Aに日頃から顔面にタバコの火を押しつけたり、
ドライバーで顔をこすったりするなどの暴行を加えていました。
XはA女を旅行に連れ出し、
Xの言動にA女が畏怖し意思を抑圧されている状態で、
XはA女に現金や菓子缶などの窃盗を行わせました。
この裁判では、窃盗の間接正犯が成立するかどうかが注目されました。
最高裁判所の見解
被告人は、当時12歳の養女Aを連れて四国a等を巡礼中、
日頃被告人の言動に逆らう素振りを見せる都度
顔面にタバコの火を押しつけたり
ドライバーで顔をこすつたりするなどの暴行を加えて
自己の意のままに従わせていた同女に対し、
本件各窃盗を命じてこれを行わせたというのであり、
これによれば、被告人が、自己の日頃の言動に畏怖し
意思を抑圧されている同女を利用して右各窃盗を行ったと認められるのであるから、
たとえ所論のように同女が是非善悪の判断能力を有する者であったとしても、
被告人については本件各窃盗の間接正犯が成立すると認めるべきである。
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